そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

やねだん

昨日の「ふれあい館フェスティバル2010」のテーマは、
「あなたが主役の地域おこし」でした。
記念講演は、
鹿児島県鹿屋市串良町柳谷公民館長
豊重哲郎さんの
「やる気を起こせば「キセキ」は起こる」。

柳谷、通称「やねだん」のホームページ→リンク

合志市では、行政区に区長、あるいは自治会長がいて、
普通、公民館長はまた別にいるのだが、
この柳谷公民館長の仕事は、
合志市でいう区長、自治会長の仕事に近い。
兼務ともいうべき存在なのは、
300人にほどの集落だからかもしれない。

豊重館長とやねだんの詳しい活動内容は、
上記のホームページを参照してください。

とにかく視察や研修で全国から訪れる人たちが
引きも切らず(年間5000人)、
館長のスケジュールは手帳にびっしり、
よくまあ、隣県とはいえ熊本まで、
講演に来ていただけたものだと、
社会福祉協議会のスタッフの情熱と交渉力に
敬意を表します。

高齢化率40%の集落ゆえ、
当然一緒に活動をしてきた方も
順繰りに亡くなって行くわけです。
そこで「文化」をキーワードに全国から
アーティストを呼び、定住してもらうという試みを
行なっています。
それは、出て行った若者のUターンにもつながります。

地域再生の基本は「文化」であると
定義されたところが、館長の真骨頂です。
そして、村というのは
「誕生と喪失を繰り返す」場所であるという認識。
当たり前のことだけれど、
日常的な死から断絶された都会では、
そんなこと、あまり意識されないのではないか。

館長は、自主財源を作ることを
最初の目標に据えられた。
活動を続けるうちに、余剰金ができて、
集落のみんなに、1万円ずつボーナスを出した。
テレビ番組の取材で
その中の一人が何に使うかと問われて、
先祖のお墓に花を供えるのに使うと答える。
1万円全部使うんですかと、重ねられて、
1年分にはそれくらいかかるだろう、と。

小さくても、そこには世界がある。
なんと美しい世界じゃないか。