そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

リーダーの役割



アマゾンのレビューが役に立つと感じるためには、
それ以前に最低限の予備知識みたいなものが
必要だと思う。
この本なんか、字が大きいだの何だのと
散々な書かれようだが、
図書館で借りて読む暇つぶしにはぴったりだ。


「リーダーの役割」という章。

 
 リーダーの「資質」などどうでもいい。 

 リーダーは「どこに問題があるのか」
 「何をすればいいのか」わかっている人でなければならない。

 どう変えるのか、そのために何をするのか、
 優先順位はどうなっているのか、
 結果が出なければどう責任をとるのか、
 そういった具体的なことを言わないリーダーは信頼できない。

 ダメなリーダーに共通する特徴がある。
 訓示や演説や会見において主語と述語がはっきりせず
 修飾語を多用するのもその一つで、
 最近だと、「命がけで」「しっかりと」
 「きちんと」「粛々と」などが流行っているようだ。



ま、リーダーではなくても、
言葉を選びにえらぶ作家にとっては、
あまりに無頓着な言葉の使い方は、不快なのだろう。

言ってる本人は、型通りの言い回しの方が、
力強く相手に印象づけられると思い込んでいるし、
一般的に言って、中身や言葉よりも、
そのトーンや自信ありげな態度が
より効果的に響くということは多い。

しかし諸君。
村上龍の「リーダーの役割」を読んだならば(もちろん本文で)、
リーダーが「どう変えるのか、そのために何をするのか、
優先順位はどうなっているのか、
結果が出なければどう責任をとるのか」について
本当に伝えているのかどうか、
そこをきちんと読解するようにならなければならない。

いま使った「きちんと」は、
しっかりと、という意味の強調後であり、
ダメなリーダーの凡庸な修飾語とは違うので
そこは理解してほしい。

ところで私がアマゾンの評を有効活用するのに、
最低限の予備知識が必要だと思ったのは、

ロバート・アルトマンの『三人の女』を
レビューで絶賛されていたから購入した、
という人がいることを知ったからである。

熊本PARCOでの特別上映会でただの一度しか見ていないし、
印象にも残っていないので、
この作品について語ることはできないが、
監督について全般的な知識がない人が
このDVDをいきなり買うのは無謀であると思うのだ。

ただ、繰り返し見ることによって、
アルトマンの魅力の虜になる可能性もあるので・・・
ただそれには、ある程度の素養と感受性が要求されるので、
万人に向くとは一概に言えないのが難である。