路面電車の路線延伸が、にわかに現実味を帯びてきました。健軍終点から熊本空港までという路線が有力なようですが、私はあえてまったく別のルートを提案したいと思います。
それは、熊本電鉄の御代志駅から大津方面へ電車を走らせるというものです。農業公園と恵楓園の間を抜け、合志町・菊陽町の畑作地帯を通る県道を利用したコース。第2テクノで止めるか、本田技研あたりまで伸ばすかは、議論の余地がありますが、渋滞対策のための道路整備という発想をちょっと転換させてみることも必要かと思われます。
財政的に余裕がないことは百も承知で、それでも調査検討することに意義があります。二輪、四輪の販売に影響が出ると予想される電車利用に、関連産業が賛成するわけがないと考えることは短絡的でしょう。
製造部品を運ぶのに電車が使えれば、安全性とコストダウンが期待できるかもしれません。
西合志から大津を結ぶこの県道は、幸いにほぼ直線の素晴らしいアクセスです。この道路を利用する人たちが、それぞれに「もし電車があれば」ということに思いを馳せれば、菊池郡内に大きな夢が描けることでしょう。
Then and Now : 平成14年3月25日付熊本日日新聞「読者のひろば」掲載。わずか2年前のことなのに、随分昔のことのような気がする。町村合併が、具体的になる前の文章なので、夢を描くことに重点を置いていたのだけど、実際協議が進んでくると、合併の意義自体が怪しくなってくる。
路面電車の話題では、熊本電鉄のLRT化と水道町乗り入れが具体性を帯びてきて、こちらも難問山積みなんだけど、応援しています。