そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

ハロー!中川五郎ライヴ

8月13日 金曜日

大津町引水にあるハロー通りにて、
中川五郎さんのライヴ。

ドアを開けると、五郎さんはカウンターで、
私の友人と何やら話しているところだった。
私は、持参したレコード『25年目のおっぱい』を
バッグから、取り出した。
本人にとっては、別に珍しいものではないだろう。

それにしても、久しぶりに押入れから陽の目を見た
アルバムジャケットの30センチの大きさよ。
それに黴臭い。
現在わが家では聞くことが出来ないが、
盤をきちんと洗浄しなければ、
ちょっとターンテーブルに乗せることもはばかられる。

おもむろに歌い始めた五郎さんの
歌の言葉が、ちっとも耳に入ってこない。
不思議な感じ。
それでもそのヴォイスは自然に入ってくる。
五郎さんの歌はメッセージ色が強いので
(あるいは、私小説的なので)、
言葉を理解しなければと思う間もなく、
歌の時間は流れる。
でも無理しなくてもいい。
流されることが音楽だと言わんばかりに。

もちろんこれは私の個人的な感覚です。

ちょうど一年ぶりの今回のライヴ。
ずいぶん趣が違うような気もした。
「受験生ブルース」や
「主婦のブルース」。
自分で封印していたかのような出世作を
少しだけ今風に歌詞を変えて。
「主婦のブルース」は、「主婦のブルース2010」として、
大幅に書き換えられていたけれど、
少しも古臭く感じられないのは、
私が過去を生きている身の上だからだろうか。
歌は、うたわれる時代に再生するものなのか。

新曲も何曲かあって、
何が五郎さんをこれほど意欲的にさせたのだろう。
それは聞きそびれてしまったが、
あの笑顔で、「それはね」なんて語るのは、
ちょっと似合わない。
私だったら、
解説を始めるところだ(笑
しかし、中川五郎さんは、プロフェッショナルの
シンガーソングライターなので、
いまそこに歌を聴かせる場所があれば、
いつでも歌にいのちを吹き込むことが出来る。
それが仕事なのだから。






It's just his job.