そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

大勢の中の一人

ゲゲゲの女房」もいよいよ明日まで。
人気絶頂(多分)のときに有終の美を飾る、
それもまた連続テレビドラマの一つの形かな。

前にも書いたが、私は
世界に一つだけの花」という歌が好きではない。
シングアウトしなければいけない状況では、
みんなに合わせるが(それは、私の政治姿勢にも通じるが)、
あの歌の持つ思想には、
アンケートの回答みたいに言うと、やや共感できない。

「世界に一つだけ」を強調することは、
他者との共存、ゆずり合いみたいなものを
軽んじる傾向にならないか心配である。

今朝の「ゲゲゲの女房」で、元詩人の太一くんが
ええこと言うとった。
自分は水木しげるのマンガの読者の
何百万もいるかもしれない
「大勢の中の一人」に過ぎない。
でも、先生の作品を「オレはずっと読み続ける」と。

布美枝が「会ったことのない大勢の読者」の存在に
思い至るシーンもあったが、
個性とか、
ナンバーワンよりオンリーワンとか言うからには、
やっぱり会ったこともない大勢の人や
生き物(植物などを含め)あってこそ、
この世界が成り立っていることを想像することが出来て、
忘れずにいることは大切なことなのだ。