そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

買った人が花を咲かせるんです

アホウドリの仕事大全』阿奈井文彦
徳間文庫で1992(平成4)年に出ているのを
少し前にブックオフで買った。

二男が生まれたのが平成3年で、
それが今日晴れて成人式だ。

1985(昭和60)年3月現代書館より刊行されているが、
多分1975(昭和50)年前後から取材が始まっている。
元々、雑誌「宝島」かなんかで連載されていたときに、
本当に楽しく読んだ記憶がある。
永六輔さんや伊丹十三さんも得意だが、
職人さんの語りを引き出すテクニックとそれを
書き写す力量。
貧しくとも
世の中も人生もこんなに豊かだったのかと
しみじみ感じ入る。
ただね、失われてしまったものがほとんどじゃないのか。

 

もちろん新たに生まれてくるものもあろう。
ただそれを聞き出す人がいないし、
まあ、もっともっと歴史の積み重ねってものが、ネ
とスッカリ文体が乗り移っちゃった、ハ、ハハ。

「花屋の春」園芸業の加藤さんの言葉から。
「こっちは、花咲くとこを見ないからね」
「買ったひとが、花を咲かせるんです。
あたしは、それまで、こうして育ててるんですよ」