そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

隠蔽・改ざんが破壊したもの

2018年4月29日の熊日論壇。
熊本大永青文庫研究センター教授 稲葉継陽さん。
日本国憲法に『国家の最高機関』と明記されている
国会(立法府)は、直接投票で選出された国会議員、
すなわち国民の代表によって構成されている。
その国会における審議の基本資料となる行政文書を、
政府(行政府)がやりたい放題に隠蔽・改ざんしてしまう。
そればかりではない。あろうことか、自衛隊・教育
規制緩和など現政権の本質に関わる問題について、
政府が恣意的に提出した資料での国会審議が
延々となされ、それによって形成された世論のもとで
国政選挙が行われ、そのたびに政権与党が
圧勝してきたのである。 公文書の隠蔽・改ざん
による世論の誘導。議会制民主主義の破壊とは、
このことである」
この当時は政権批判の優れた根源的論説が
数多く書かれていた。ただ批判というだけではなく、
民主主義をもう一度捉えなおそうという
問題提起であり、解説にもなっていた。
それが心に響いた人たちが少なからずいて、
今もそのことを念頭に政治について考えている
と信じたい。
私自身はそう言いながらも多少挫けそうになるというか、
日和見になっているかもしれない。
だから、新聞をスクラップすることで
改めて読み返し、もう一度胸に刻み直すのだ。
あの頃、新型コロナ感染症がこれほどまでに世の中に
蔓延することなど思いも寄らなかった。
しかし、それは想定外というわけではない。
新型インフルエンザを恐れて対策を打っていたのだから、
他の未知の病原菌やウイルスの可能性も分かっていたはず。
歴史に学ばない人たち、歴史を都合よく解釈する人たちが
政権に居座っている以上、いまそこにある危機を
真正面から受け止めず、逃げているとしても
不思議はない。