――専門家の方は必ず劇場で見る、ということでもない。
「・・・日本のいちばんの欠点はね、それなの。
もう完璧でないとダメだというの。
小さいスクリーンでは見た甲斐がないとかね。
それから音楽もレコードではダメだとかね、あんまり
いいすぎるね。クロウトじゃないんだからね、
この世の中の人はみんな。
だから見てね、素直に楽しんでくれたらいいの。
音響効果のある劇場がいいとか、
大きなスクリーンがいいとか、そらわかったことですよ。
けれど、そんなんでなくても
楽しむだけのエネルギーもってないと、
それだけの技術もってないと、いけないね。
そういうときに完全でないとダメだというの、
キライだな、
意外に僕は完璧のくせに(笑)」
山田辰夫さんが亡くなった。
53歳って、同い年じゃん。
以前、映画『オン・ザ・ロード』について書いたが、
彼については忘れていた。
誰だったか、そのときの彼のキャラクターをべた褒めしていた。
確か、『バニシング・ポイント』で言うなら、
ローカルラジオ局の黒人DJみたいな役どころ。
それを思い出した。
もう一度、日の目を見させたい映画だ。
In my being perfect unexpectedly.