そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

ボクと、オカンと、ときどきオトン>2/27/2007・k325

月9に「東京タワー」という話を聞いたとき、
いくらベストセラーのドラマ化とはいえ、なんか勘違いしているのではないかと感じた。
いくら何でも、これまでのトレンディー路線と違いすぎる。
強いて言えば、速水もこみちが主役というところだけが、日の名残である。
私は原作を読んでいないが、初めの頃、展開のあまりの速さに雑な感じがした。
しかしそれは、母が東京に出てきてからの話がメインになるがゆえであった。

テーマはありきたりではあるが「家族の再生」なのだ。
そのことに思い至らず、主演の速水もこみちは視聴率が取れないとか、
そういうところばかり、あげつらうのは非常に寂しい。
確かに倍賞美津子の安定した演技と比べたら、
速水でなければならない理由などないに等しい。
なのだが、彼のしゃべる福岡弁の嫌味のなさは、他では得がたいものである。
九州男児の、ある種いやらしさがない分、
全国的に受け入れられやすい「九州出身者像」と言える。
現実にいそうでいないから、ドラマとして成立するのだ。

香椎由宇がメイクのせいか、生身の女の子に見えたのも初めてのことだ。
なかなかいい。
こちらも実家の母との間に確執がある。
一般的に言って、どんなに普通に見える家庭にも、
大なり小なり親と子の問題はあるものだろう。
それが原作ものとはいえ、男女関係より親子関係を選びとったこのドラマの
ある意味「トレンディー」なところである。
石黒賢は思いも寄らぬ魅力的な役どころ。
泉谷しげるのオトンは、当たり前すぎて面白みに欠ける。
ただ、これから最終回に向けて、さすが、と唸らせられる展開になるかもしれない。
どうも視聴率とスポンサーばかりに目を奪われて、
他にない新しさや面白さを追求する姿勢が
テレビ局にはあまり見られないような気がするのだが、
そうではないところをぜひ番組で見せてほしいものだ。

Then and Now:
これがテレビ熊本のモニター公募用に最後に書いた文章。
そのうち書こうとは思っていたのだが、時間が足りず、800字無駄に使っている、と思う。
映画の方は4月公開。電気館の田中支配人は素晴らしい出来だと、
FM791の森永さんの番組で語っていた。
でも、テレビの方もなかなかのもんよ。
誰もほめないと思うからこそ、私は評価したい(少しだけ)。
香椎由宇は、NHK土曜ドラマ「ハゲタカ」の栗山千明と並んで、
今クールの助演女優賞ものだ、個人的趣味だけど。
区別がつきにくいという意見も(笑