そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

「動員」その積極的意義~7/?/1999

 先日、合志町総合センター「ヴィーブル」で岡本富士太氏の子育てについての講演会があった。NHK「中学生日記」の先生役で有名な岡本氏の話の中にあった、子どもとの会話以上に大事なこと、子どもたちがどこを見ているか、何を見ているかを知ることの重要性が心に残った。

 しかし、それ以上に私にとって、うれしかったことは、会場で何人もの知人に出会えたということである。
 前の会社の同僚や保育園の保護者会で一緒だったお父さん、小学校のPTAやクラスでの顔見知りなど、よく会う人、久しぶりに会う人達と、ひとつの会場で同じ講演を聞くことができたということが、貴重な体験だったような気がした。

 合志町熊本市近郊のベッドタウンとなって久しいが、仕事が終わって我が家に、寝に帰るというだけではもったいないと思う。ほとんどの子どもは中学を卒業するまで生活の大半をこの町で過ごす。
 その親が地域と関わることを避けて通れるだろうか。インターネットで世界と瞬時につながることが可能な時代だからこそ、日常生活でふれあう人達や身近な出来事が私にはとても大切に思えるのだが。

 実はこの会への参加は、いわゆる「動員」の電話連絡がきっかけだった。「動員」されて仕方なく行く人もいるかもしれないし、その受けとめ方も様々だろうが、何にでもちょっとした「きっかけ」は必要なのである。

Then and Now : 平成11年7月26日熊本日日新聞「親の目」欄に掲載された。改めて読むと、わずか5年の歳月とはいえ、今より確実に熱い。当時は息子たちも扱いやすかった。そんなことはないはずだが、世の中さえ、もっとシンプルだったような気がする。
 記憶って単純化されるのだろう。少なくとも、良き父親としての、理想のイメージは、頭の中にあったということだ。