トヨタの張富士夫会長のインタビューが文藝春秋3月号に掲載されている。
「過去のデータを見ると、3,4年も経てば好調だった需要も踊り場を迎えている。
そのときに生産体制や管理体制のこまめな調整ができたのです。
今回もそのつもりで走ってきたら、ここ十年、世界中のお客様からひっきりなしに注文が入ってくる。
しかも需要の伸びが急角度で続いた。
だから生産方式も量産型の設備を入れて、スピード重視で必死につくってきたんです」
さすがに無駄なく、手短にこの十年をまとめている。ただ、なぜ世界中のお客様が車をひっきりなしに注文できたのか。
必要以上に新車が売れていた背景をとやかく言っても仕方がない。日本経済がそれで潤った部分は大きい。
「ただ、調整の必要もない好調が10年も続いたことで、
その分、反動も大きくなり、赤字という形ではね返ってきてしまった」
将来予測ができても、急角度の需要の伸びを、指をくわえて見ていることはできないだろう。
トヨタという会社とその戦略について、あくまでもトヨタの側からだけど、とてもよくわかるインタビューです。
在庫調整できたとしても大量生産、大量販売しかないのも事実。
名づけて、景気循環サイクル企業。
A business cycle company.