9月14日熊日夕刊の「思考のフィールドノート」。
ノンフィクション作家の保阪正康さんは、
小泉政権から始まる「極右的な発想が政治の表面に現れ、
社会や文化にも国家主義的な潮流が跋扈したこと」を
「危機」と呼び、政権交代によって、
その「危機の4年間にストップがかかった」という。
「自民党大敗を
『国民の大多数に国家主義はなじまない。
生活は民主主義のシステムの上に成り立つ。
それを有権者が了解していたことを示す結果だ』とみる。だ
『自民党は国民に分配をすることで
確固たる支持を得ていた。
あくまでその余裕の中で一部の議員が
右派的なことを言えた。
まだ余裕があると錯覚し、極右的姿勢を見せて
国民に嫌悪された』と
〝現実〟と〝思想〟の乖離があったと分析する」
そういう意見を読んでみたかった。
もちろん、これはほんの入り口だ。
極右的思想こそが、
日本を正しい方向へ引っ張っていけると信じる人たちは、
経済成長が続くことも当然だと
信じていたということか。
郵政選挙で手に入れた300議席を
そういうことにしか使えなくて、
成長を続けていたはずの日本経済は、
アメリカの金融工学という楼閣の立つ砂場だったなんて、
グローバリズムに逆らっているようで、
結局その恩恵に浴して、踊らされていた人たち。