4月9日金曜日から3日間、
フジテレビ開局50周年特別企画(何本目?)と銘打って
三谷幸喜作「わが家の歴史」が放映された。
裏番組に映画『ALWAYS 三丁目の夕日』を
ぶつけられたのは、出来の悪いギャグだった。
で、第一印象は、「しょぼい」だったのだが、
所詮テレビドラマではないか。
舞台装置のディテールが大事なのではなく、
歴史考証の正確さが売りなのではなく、
柴咲コウを中心とする大家族主義のファンタジーであること。
それが重要なのだ。
カート・ヴォネガットが見たら、
気に入ってくれたかもしれない。
ギャグが、キルゴア・トラウトっぽいし。
西田敏行がうまいのはともかく、
長澤まさみも、よかった。
というか、松本潤や佐藤隆太ですら、
その大根ぶりを計算しつくして、
脚本化されていた。
大学で、饗庭先生の講義を取った話は
以前書いたと思う。
図書館での出合いは必然のような気もする。
最後のページから、引用する。
「歴史は空しい。しかしいかに小さくとも
一つの家の歴史を辿り直そうとすることは
誰にとっても自己確認と証明の一つの方法である」
「もし『私小説』というジャンルがこの世にあるならば、
『私歴史』というジャンルがあってもいい筈である」
I-history.