そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

千客万来 It's 往来

7月31日 水曜日

熊本市国際交流会館で、特定非営利活動法人ITS Jpan主催、
九州経済連合会共催の第5回ITS地域交流会in熊本2013が開催された。
私は特にコネクションを持っているわけではなかったが、
たまたまfacebookで情報を得て、無理を言って参加させてもらった。
ITS Japanという組織は、元は1994年に
道路・交通・車両・インテリジェント化推進機構という任意団体で発足。
そういえば、そんな時代もあったねと思いだす。
当時はこんな形に情報技術が発展するとは思われていなかった。
21世紀には、IBMは生き残るがアップルは消えているという予測もあった。
――私にはそう書かれた記事を読んだ記憶があるが、
ウィキペディア的には出典を求められるだろう。

参加者は県内の自治体関係者がほとんどだった。
駆け込みで申し込んだゆえ、
最初一体何を目指している会なのかよく分らない。
熊本大大学院の溝上章志先生は、
合志市の地域公共交通会議の座長でもあるが、
地域交通計画に関する講演は、レジュメでは
公共交通に関して、これまでとこれからを
実によくまとめてあったのだが、持ち時間の関係で
中途半端に終わってしまった。

一般財団法人計量計画研究所主任研究員の森尾淳さんの
総合都市計画とパーソントリップ(PT)調査の話を聞くと、
従来のパーソントリップの限界を
ITS活用によるデータ収集と分析で突破し、
利便性を限りなく向上させることができそうである。

具体的事例の発表も長洲町の予約型乗合タクシーの取り組み、
愛媛県松山市の歩行者や自転車を中心とした
遅い交通とまちづくりの実践。
ここではよりアクティブなプローブパーソン調査を実施することで
人の行動を実にうまく捕捉してまちづくりに活かした。

あと熊本高専の双方向通信型バスロケーションシステムと
ITSアライアンスの簡易バスロケシステム。
ローテクと言ってしまうと申し訳ないが、
限られた予算で、最小限必要な機能を提供するという姿勢。
思えば、ITSが鳴り物入りで始まったとき、
メーカー中心に国家的なプロジェクトになりそうな気がしたが、
意外と身近な親切みたいなところに
それが収斂していくのを見るのはとっても楽しいことだ。
もちろん今回の事例がそうだっただけかもしれないが、
都会であろうと田舎だろうと、
人の生活圏というのはいつでもどこでもローカルなものである。
と、それを忘れなければ、いわゆる「人に優しい」手段として
ITSは地道にもっともっと発展するだろう。

ワークショップの時間は隅に追いやられ、ちょっと残念だった。
報告書が出来上がるのを楽しみにしたい。