そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

熊本旅行記4泊5日


雑誌CREA 9月号に村上春樹の熊本旅行記が
掲載されている。

文章は、あまりこなれていない感じがするが、
その分、ナマモノ感があって良い。
検索したら、ヨドバシカメラに電子版というのがあった。
ただ、大判でやたら重たい女性誌ならではの触感も良い。
橙書店から夏目漱石旧居、荒尾市万田坑から、
人吉、津奈木、八代、そして阿蘇

ヨーロッパやアメリカを回ると思えば、何てことないのだろうが、
よくぞ貪欲に訪れてくれた。
東京するめクラブの元メンバー、
熊本在住の吉本由美さんのおかげだろう。
熊本のPRという意味では、独特のアプローチがあって、
今後長く、熊本にとってのお宝になるに違いない。

熊本城のまわりを早朝走ったときの話が、
県民としては、うれしくもあり恥ずかしくもあり。

「ただひとつ、道ですれ違う市民の大半が、
『おはようございます!』と明るく大きな声をかけてくるのには、
少しばかり戸惑った」
そのフレンドリーさに文句のつけようはないが、
挨拶には礼儀として返事しなくてはならないので、
考えごとができなくなるのだと。
あの村上さんが礼儀として、返事を返さなくてはと考えていた。
そのことで、これまでの思い込みを覆された感じ。
いい意味で、普通の市民なんだなと。

「この『おはようございます!』攻勢には正直なところ、
ちょっと閉口したかもしれない」
この正直さは、その作品からは想像もつかない。
いや、いい意味で。
世界中いろんな街を走ったが、こんなに頻繁に
挨拶をされたことはなかったそうだ。

「熊本という街には『明るい朝の挨拶』を住民のあいだに
喚起するような、固有の風土が存在するのだろうか>
それとも『みんなで明るくおはようと声をかけ合おう』という
市民運動でも繰り広げられているのだろうか?」

熊本に住む人なら、それが後者であり、
それがおそらく日本全国で当たり前のことだと思っている。
ランナーには少し負担になるかもしれないが、
別に臆することではない。
熊本城マラソンではどんな感じなのだろう。

熊本城についての記述は、
熊本市民にとって最高の贈り物になると思う。
こういう旅行者の視点から、新たな発見があることを
私たちは忘れてはならない。

くまモンに関する独自取材とその鋭利な分析。
一読の価値があります。
本文をどこかでぜひ読んでください。