そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

敵基地攻撃能力

何を考えているのか、北朝鮮の度重なるミサイル発射実験を前にして、
政治家たるもの、その支持者の顔色も窺わなくてはならないのか、
敵基地攻撃能力の必要性を声高に主張する方がいる。
さて、国際法学会HPにある
「敵基地攻撃能力と国際法上の自衛権
国際法学会エキスパート・コメントNo.2021-2
田中 佐代子(法政大学法学部准教授)
脱稿日:2021年1月18日 には、法的根拠の議論を
過不足なくまとめてあるので、ぜひ読んでください。

jsil.jp

勇ましい政治家は、最低限、敵基地攻撃能力を自前で持たないと、
抑止力を備えた国家たり得ないと考えているのだろう。
北朝鮮はいくらそういう議論が起ころうと、
絶対日本はその能力を持つことはないだろうと
考えているのだろうか。
それに関してはそもそもわが国の事情を考慮して
ミサイル発射実験をやっているわけではないだろうということがある。
北朝鮮のデモンストレーション、あるいはプレゼンと言ってもいいが、
それは米国に対する自己顕示である。
普通に考えて、最初の一発を撃ち込めば、
百倍になって返ってくることは自明なので、
まかり間違わない限り、北朝鮮が先制攻撃をするわけがない。
だからそのための抑止力としての敵基地能力は税金の無駄だ。
それは対中国でも同じようなもので、
つまり威勢のいい政治家は支持者向けのリップサービスとして
敵基地攻撃能力を持ち出しているにすぎないと私は思う。
万が一にも本気で考えているのなら、それは政治家失格である。