そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

映画「東京物語」を自主上映で観る! /多分2000

 昭和28年の作品。私の生まれる前の映画だが、描かれる風俗には、幼い頃の思い出に通じるものがあり、懐かしい。だから、ついつい当時の人達の暮らしぶりとかに目が行ってしまい、お勉強してしまっている自分に気がつく。

 商事会社(商社の前身)にだって、壁掛けの電話機が1台あるのみ。尾道から東京に「ハハキトク」と、電報で連絡するしかなく、夜行列車で一日がかりだった時代。ほとんど盛りあがりってものがない展開なのに退屈することもなく、古き良き日常に入り込んでしまった。

 今、日本人であることにどれほどの意味があるかわからないけれど、確実に私たちは、あの頃の日本人の末裔であると思う。
 賀来千香子を初めて見たとき、どこか懐かしさを感じたのだが、この映画の原節子を見て、それが何だったのかよくわかった。
 ノスタルジーってものだ。

コメント:筆名「嘆きの仮面ライター」で、熊本日日新聞「私にも言わせて」に送るも
不採用。この自主上映は、大津キネマ倶楽部主催の映画会のこと。この年まで、
小津安二郎監督の作品毎年1本上映を、10年間続けていた。現在は、山田洋次シリーズに
移っている。