そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

あの鐘を鳴らすのはあなた

NHK-FMの「ミュージックメモリー」という番組の終わりの方を偶然聞いた。
カーステレオをつけると、かなりしわがれ声のゲストが喋っている。
和田アキ子の「あの鐘を鳴らすのはあなた」という曲の詞を書いた人らしい。

「70年代はねえ、とにかく暗い時代だった。
希望という言葉は照れくさいんだけど、
やっぱり、他にいい言葉がなくて。
で、使ってみると、それほど悪くなかった」
ま、そういうふうなことを語っていた。

声の主は、阿久悠さん。
どうも「スター誕生」のころのイメージしかなくて、
少し驚いたのだが、声はともかく、語る言葉は瑞々しい。

「あなたは希望の匂いがする」

発表当時は、それほどでもなかったが、後にCMで使われて、
ヒットしたとのこと。私はその辺の経緯はよく覚えていない。
この曲を聞いたおかげで、悩める思春期にも
一筋の光が見えたことだけは、はっきり思い出すことが出来る。

「自分でいい曲です、いい曲ですって、言ってもだめなんだな。
他の人が「こんないい曲ありました」って持ってくると
それがいいんですよ」
と、これも大意です。運転中だったからね。
タイアップの極意ここにあり!って趣がありますね。

その昔、60年代終わりか、70年代初めのころ、
雑誌「GUTS」で、ある論争があった。
作詞家のなかにし礼さんと、山上路夫さんの、
新聞記事をネタにして作詞することは是か非か?
とかなんとか、そういうこと。
00年代の現在、
そういう大事だけれど瑣末なことで喧嘩腰になりますか?
日本語のロック論争しかり。
まだまだ文化が成熟していなかったといえば、それまでなんだけれど、
若かったんだろうな、戦後日本人。
そういう営みを否定するのが「戦後レジームからの脱却」?
安倍首相は、カウンターカルチャーと縁がなかったのだろう。
塩崎官房長官は、封印しちゃってるのか。