そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

小さな祈りの言葉

ファニーカンパニーのCDが届いた。
アナログ盤を手放して30年以上過ぎるので、
久しぶりに耳にすると、
正直言って、え?こんなんだったっけと思う。
セカンドアルバムの『ファニーファーム』のLP盤は、
いまも手元にあり、20年も前にカセットに入れて、
ときどき聞いていたので、印象に隔差がある。
会いたかった初恋の人に再会するってこんな感じ?
多分。

これもまた自分の記憶に残るばかりだが、
デビュー直後の「ニューミュージックマガジン」誌の
インタビューだったと思うが、
オリジナル曲を作ることについて訊ねられ、
「たまたまやね、自分がそういう歌を作ったってことは。
オリジナルなんて言うのはおこがましい」
ま、そういう感じの答えだった。
17歳、いや16歳だったかもしれない私が受けた衝撃。

そして「オレら、ウルトラマン・ジェネレーションやな」
前後の脈絡は忘れたけれど、
その一言はもちろん忘れない。
それは、ジャックスや岡林信康の「ラブ・ジェネレーション
とは世代がちょっと違うもんね、の意だったかもしれない。

私はマツモト・レコードで発売直後に買ったのだが、
レコ倫からクレームがつき、
再プレス分から、「ある女」の歌詞が変わっている。
原詞をしっかり覚えていたのだが、
もうそれもあまり自信がなくなったな。
もちろん、CDは変更後の歌詞。

当初、リードギターも桑名自身が演奏していて、
そのソリッドなフレーズは、私の憧れだったのだが、
なんと、まず最初、口ギターでフレーズを考えて、
それをギターでコピーするという手順だったらしい。
そのことにも驚いた。ほんとに。

彼のヴォーカルにもほんとに影響を受けたけれど、
それは意味もなく、オーイエィ、とか、
ヤッ、とか、ウーゥゥワオッとかなんかよく、
ドラムみたいなオカズを入れるのが特長であった。
アン・ルイスがいつだったか、
「彼、昔はイェイ男って言われてたのよ。恥ずかしい」
と笑って語っていたのが思い出される。

あぁ、過去形の思い出ばかりだけれど、
それは個人的な体験談だから。
時間がかかってもいいから、
しぶとく回復してほしい。
I say a little prayer.

ファニカンのファーストアルバムのときから、
「僕もそのうち死んでしまう
働くのも遊ぶのも今のうち
出来ることは精一杯しよう
働くのも遊ぶのも今のうち
僕もそのうち・・・・・」なんて歌ってたリアル。

アルバムを聞き進んでいくと、
やっぱり過去へのタイムマシーン。
それがリアルタイムに感じられてくる。
ボーナストラックにライブ録音が収録されているせいか。

全身が歌の塊り。
そういう桑名さん、戻って来てください。