そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

視察研修報告書

10月19日午後2時00分より

○埼玉県越谷市役所

越谷市は人口約32万人。65歳以上人口のうち、
後期高齢者比率が35.3%と全国平均より約13%、
埼玉県平均よりも約5%も低い。
要介護1~3の高齢者が全体の55%であり、
比較的介護度が低いのは後期高齢者比率が低いせいであろう。
また、認定者自体も全国平均より低い埼玉県にあって、
さらに低い方である。
つまり65歳以上の高齢化率は約20%に近づいているとはいえ、
若くて元気な高齢者が多いと言える。
そのことが介護保険料を低く抑えられる要因か。

介護予防事業には、
一次予防事業(活動的な状態にある第1号被保険者を対象)、
二次予防事業(要介護状態となるおそれの高い第1号被保険者を対象)がある。
平成23年10月より、介護支援ボランティア制度を始める。
これは、65歳以上の高齢者が
介護保険施設等において行ったボランティア活動に対して
ポイントを付与し、本人の申し出により、
貯めたポイントを転換交付金として本人へ交付するもの。
こうした活動を通して、地域における活動を促進するとともに、
高齢者の健康保持や介護予防を促進する効果があると
考えられると解説されている。
ボランティアに対する手当と考えるか、
シルバー人材センター的なものととらえるか
判断は分かれると思うが、
無償で登録者が少ないよりも、
参加へのインセンティブと考えれば有効だと思う。
効果の検証が待たれる。

 
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10月20日午後1時30分より

小鹿野町役場(いきいき館)

平成17年に2町合併した小鹿野町
人口13,698人・高齢化率28.81%(23年1月1日現在)、
人口は減少している。
保健福祉事業の歴史の中で特長的なのは、
昭和28年の町立病院(医師5名、36床)開設と
昭和34年の町立養護老人ホーム開設だと思う。
「地域包括ケアシステム」が
小鹿野モデル」として、よくもてはやされるが、
当事者としては何が「小鹿野モデル」なのかよくわからないと
正直に言われたけれども、
8名の常勤保健師らによる高齢者全戸訪問を始め、
近所の人やお店の人などによる見守りが
ごく普通に行われていることの意義は大きい。

もともと、脳血管疾患が多かったことから血圧の管理に取り組み、
生活の改善から予防医療に取り組んできたので、
町民の生活の中に健康の意識が深く浸透している。
入院した場合も退院後のことを考える地域ケア会議が、
月2回開かれているなど、
保健、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスが
切れ目なく一体的に提供される体制が構築され、
関係機関が総合的な連携を図っている。
役場の全職員数が150名ほどのうち、
保健福祉課には職員33名、嘱託約50名ということを聞いて、
町の規模もあるが、特定の政策に傾注することを選ぶことも
行政の一つの選択であると思った。

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10月21日午前9時30分より

○千葉県流山市(おおたかの森)

流山市は人口約16万5千人。
首都近郊の住宅都市として発展してきたが、
平成27年に開通した「つくばエクスプレス」により、
人口増加に拍車がかかっている。
企業立地等があまり望めない中、
都心まで25分圏内という好条件を生かし、
新たな子育て世帯の居住を促すために、
私立保育園整備補助金事業と送迎保育ステーション事業をおこした。

新たな居住者は車を持たない世帯が多いことから、
待機児童ゼロを目指すときにネックとなる、
保育所の整備と自宅から園までの距離のミスマッチを解消するために、
乗降客の多い「おおたかの森」、
南流山」駅前に送迎保育ステーションを設置。
ステーションから送迎バスを活用し、
定員に余裕のある保育所へ児童を送迎するサービスを行っている。

もともと駅前の複合ビル開発時に出てきたアイデアなので、
単なる送迎のためのステーションというだけでなく、
事業の委託先である社会福祉法人による
保育所分園や延長保育など、待機児童ゼロ対策に大いに貢献している。

人口規模が合志市の3倍もあるというスケールメリット
東京都心に近いベッドタウンであるという就労環境、
高速鉄道という公共交通の充実、640haの区画整理など、
比較にならない好条件に恵まれている流山市のモデルが
合志市に直接参考になることはあまりないと思われる。

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ライフガーデン流山おおたかの森
駅への通路より。