そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

中津更生保護サポートセンター

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10月26日 月曜日

大分県中津市の更生保護サポートセンター視察研修。
菊池地区保護司会合志分会で行きました。

中津保護司会の保護司総数 58名。
担当地域は中津市だけである。
菊池地域との大きな違いである。
市庁舎分室に老人クラブ連合会や連合PTAなどと入る
この更生保護活動サポートセンターは、
平成20年、全国で初めてここに開設された。

中津市は観光地としても有名であるが、
サポートセンター活動の研修で伺ったのに、
観光関係のパンフがいろいろ準備してあった。
その中の一つ、「NAKATSU TRAVEL BOOK 2014年4月版」に
「ゆかりの人」として、川村矯一郎が挙げられている。
川村は、立志社の獄に座し、静岡県監獄に投獄されたが、
その後、監獄署長になっただけでなく、
明治21(1888)年静岡県出獄人保護会社を設立、
県下一円に保護委員を委嘱し更生保護施設を設置した。
同会はわが国最初の更生保護会であるとともに
保護司制度の源流となり、今日の更生保護への道を切り拓いた。
(以上、資料から)

中津保護司会の素晴らしいところは、
そういう歴史的な背景があることはもちろんだが、
更生保護ボランティア協議会という組織があり、
情報交換など、密な連携を日頃から図っていることだ。
合志市でも昨年から「社会を明るくする青少年健全育成講演会」
を共催するようになったが、中津市では数歩先を行っている。

引用すると、
「各保護司が校区の青少年健全育成会等に積極的に関わり、
地域・学校と情報を共有しながら連携して犯罪・非行防止に努める。
さらに、地域住民からの子育て相談(教育相談)、
少年非行相談については、現在サポートセンター内に開設している
窓口を通して対応する」と書いてある。
これは、平成27年度サポートセンター運営の重点目標だが、
話を聞くと、かなり具体的な活動のようだ。

毎年市内中学校3校程度で「川村劇団」公演を行っていて、
卒業するまでには、市内すべての中学生が一度は
観劇することになっているとのこと。
つまり、わが国の更生保護の歴史を必ず学ぶ機会があるのだ。
素晴らしい。

保護司の活動は、犯罪・非行の未然防止にもある。
そのことを改めて自覚した研修であった。

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ちなみに、
獄中の川村矯一郎に福沢諭吉が差し入れた書物に
英国の監獄事情などに関するものがあったということだ。
実に興味深い。