そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

利他心

昨年4~5月の緊急事態宣言時、外出がどれだけ抑制されたかを計測・分析した経済学者の渡辺努・東京大教授が
1月9日付毎日新聞電子版でインタビューに答えている。
感染拡大を食い止めるための有効な手段を問われ、
「リーダーのメッセージが非常に重要になってくるでしょう。過去の感染症に関する医学や経済学の研究で指摘されていますが、行動変容の源泉となるのは「恐怖心」と、自分が他人に感染させるのを避けたいという「利他心」です。若者の恐怖心が薄らいできたのは医学情報に基づいた現象で合理的であり、非難したり無理に怖がらせようとしたりするのは意味がありません。そこで若者に「利他心」をどれだけ持ってもらえるかがポイントになってきます。リーダーや政府が、利他心を呼び起こすメッセージを前面に出すべきだと思います」
わが国においては、実効性がかなり疑われるばかりでなく、
こういう貴重なアドバイスを元から一顧だにしない伝統がある。
つまり感染拡大を食い止めるための有効な手段の一つが
実行されないのだからもったいない話だが、
能力と意欲の問題なので、そういうリーダーや政府を許している私たちの責任でもある。