そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

いきものがかり

いきものがかりのリーダー水野良樹が以前熊本日日新聞にエッセイを連載していた。
「そして歌を書きながら」というタイトルである。
2020年(令和2年)4月27日第13回で交番に掲げてある掲示板に
「昨日の交通事故」が記されているということに始まる。
終わりの方でこう書いている。
昨日、かけがえのない人を失った誰かが一人でその悲しみに向き合っている。
その人にしか理解できない深い悲しみに対峙している。
考えてみればニュースになる大きな悲劇だって、数字の膨大さの中に
かき消されている物語がある。それはあくまで「たった一人の深い悲しみ」の
集積なのだ。そのことを忘れてはならないと思う。
水野は、「音楽の力」を信じているからこそ、自分にこのたった一人に寄り添う
歌を書けるか、歌えるかに自信がないと感じている。
その正直さを私は指示する。
G7広島サミットの議長である岸田首相にその思いがあるか。
一人ひとりに寄り添っていたら、政治は前に進まないかもしれない。
しかしそれを忘れて、権力の維持に走ったらいけない。
実に心許ない。