8月6日の熊日に掲載された「けいざい診断」というコラム。
執筆しているには、国際基督教大学教授の八代尚宏氏。
氏の考え方には、以前賛同した記憶もあるが、
極端な物言いのために、結構バッシングされる人でもある。
そのときの気分ではなく、
その考えに直接基づいて、是々非々で評価すべき
恰好の素材(失礼!)であります。
ところで、今回
「財政支出なしで民間需要を刺激する、
規制改革の具体例は少なくない」という意見の
第一に「住宅の容積率規制の緩和による
建設投資の促進がある」
とある。
それに続くのは、もちろん
「今後の人口減少社会では、
人々が散在する地域での社会資本整備には
限界があるからだ」という文章であり、
「社会インフラの充実した都市空間を活用し、
人々が集まって居住するコンパクトシティーを
目指すためには不可欠な規制改革だろう」
と、わかりやすい。
しかし、この教授の考える「コンパクトシティー」という概念が
どうもよくわからない。
私の考える「コンパクトシティー」は、
過度に高密度集積される都市のことではない。
これまでの容積率の緩和が、
東京一極集中を促進したことの反省から
「コンパクトシティー」という発想が生まれたのではなかったか。
氏の主張に沿うならば「インパクトシティー」とでも名付けるべきだ。
「社会インフラの充実した都市空間」における
真の「都市空間」とは、「空室」のことである。
と、私は考える。