そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

NHKに育てられて>4/23/2006・k309

 私は、NHKの番組に育てられた。「おかあさんといっしょ」や「ひょっこりひょうたん島」に出合うことがなかったら、おそらく奥行きのない性格になっていたと思う。

「友情・努力・勝利」とは、マンガ週刊誌の標語であったが、同じように、友を思う気持、不正に対する断固とした態度。そして、お互いを理解しあうことなど様々なことを番組から学んだ。

 その中でも最大のものは、笑いのセンスである。小学生のころは、ギャグの暗黒面に陥り、相手のことを思いやる気持をなくしていたこともあったが、それを気づかせてくれたのは、学校の先生であり、親であった。しかし、放送から学んだ笑いの基本にあるのは、「おおらかさ」であり、笑いの中の風刺性に気づくことによって、私の人生は変わったと言えるかもしれない。

 30年ほど前、東京で大学生活を送っていたときも苦しい家計から、私は受信料を払っていた。数少ない本格的なロック音楽番組を提供してくれていたからでもあり、また恩返しでもあった。

 過去の不祥事が表ざたになるのは、それだけ透明性が高くなってきた証でもある。最近は、視聴者寄りの姿勢も目立ち、品位が感じられない番組もあるが、ここはひとつ、どんな圧力にも負けずに真の公共を体現してほしいものだ。

Then and Now:久々です。平成18年4月26日付熊本日日新聞「読者のひろば」掲載。NHKについては、もっといろいろ書きたいことがあっただけに、書いてるうちに、こういうポイントに落ち着いてしまったことは、自分としても不本意。しかし、これはこれで終わらせないと先に進まないというのも事実です。
 熊日本紙と読み比べてもらうとわかりますが、大幅に手を入れられてます。それで、ものすごくわかりやすくなっている。が、それは、新聞記者の表現なんです。ギャグの「暗黒面」という、映画『スター・ウォーズ』のダース・ヴェイダーからの引用は、多分カットされると思ってたけど、その通りに。また最近の不祥事、1700万円のカラ出張という具体例が追加されてますが、それだけではないので、あえて「不祥事」と抽象表現にしていました。
と、解説しなければ伝えられないというのは、文章力の未熟さというか、見切り送信したということでもありますが。