そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

NHK番組改変

風の便り(言行一致)8月1日号やっと校了
フライングとも言えますが、一部掲載します。
 

「今だからこそ、思い出そう!NHK番組改変問題」

2001年1月30日に放送されたNHK
テレビのETV特集
「問われる戦時性暴力」という番組の内容が、
政治的に偏向しているという風評から、
安倍晋三(現総理)氏と中川昭一(故人)氏が
NHKの総局長を呼び出して圧力をかけ、
その結果、番組の内容が改変されたとされる事件である。
今回、魚住昭氏の月刊現代2005年9月号の記事を参考に、
組への「政治介入」を振り返った。

当該番組の放送前に、その内容にクレームが付けられたことで、
結果的に両氏などの意見に配慮
し、編集し直した番組を
NHKが放送して
しまったと言われている。

後に番組の取材協力先がNHKを訴え、
また朝日新聞が取材して記事にした内容が事実ではない、
政治的圧力で改変された事実はないと、
NHKが公表、朝日新聞と対決した。

ジャーナリストの魚住昭さんは独自に丹念な取材を重ね、
真実に近付こうとしている。
その内容がどういうものであれ、
NHKが制作した番組に放送前にクレームをつける
という事自体が言語道断であると私は思うのだが、
安倍、中川両氏は国会議員として
それが当然のことと考えたのだろう。

両氏は、その経緯を記事にした朝日新聞に対して、
事実と違うと反論する。
そしてNHKも政治的圧力はなかったと公表し、
朝日新聞とNHKが対立することになる。
魚住さんによって関係者の証言が整理され
「政治介入」は、ほぼ間違いないということがわかるのだが、
結果的にあいまいなまま風化していった。

とはいうものの、この件がきっかけで、
私は安倍晋三という人を知ることになる
と同時に最も信頼できない人物となった。
第1次安倍政権で、当時農水大臣だった故松岡利勝氏が
自死を選ばざるを得なかったのは、
安倍首相(当時)が松岡氏の辞職を認めなかったからだと
私は今も思っている。

現在、一国の総理大臣として、一応
首相に敬意を表するものであるが、
昨年から問題になっている森友・加計学園に関する経緯を
目の当たりにして、このNHKの番組改変事件を思い出した。

人は良さそうだが、自分を守るために
なら、後先を考えずに事実と異なることでも、
平気で言ってしまう人であることは、
多くの記録が伝えているところである。