そうムーチョだから

イカしたタイトルを思いつくまで。

電子黒板と義務教育キャビネット

11月17日 水曜日

合志市立合志中学校を訪問。
かねて、電子黒板なるものに興味があって、
ちょこっと実用されるところを
見せていただこうと思っていたのだが、
一応担当課に話を通すと、
できれば文教常任委員会名で、
視察名目にしてもらえないだろうかという。
別にそれくらいのことで、目くじらを立てるまでもないので、
委員長にお願いして、
常任委員会として、授業参観を果たした。

ちょうど、「学力向上」研究発表会の
1年2組の技術の授業である。
学習目標は、「キャビネット図を正しく描こう」。
木工という実技の前提となる構想から、
実際の仕上がりのデザインを描く学習。
思えば、伊達に40年の歳月が流れていたわけではなかった。
思い出そうとしても、私が中学生のときの
授業の流れがどうだったかは定かではないが、
少なくとも、こんなに理路整然とした授業の積み重ねは
なかったように思う(いや、あったのかもしれないが)。

キャビネット図というのは、立体図のことのようだ。
建築設計で言えば、完成予想パースだろうか。
それを一定の決まりに沿って描く、
その解説を電子黒板でやるのだが、
OHP(実物投影機)も併用するので、
この授業に関しては、
特に電子黒板があってよかったなあ、というものでもなかった。
あくまで黒板なので、
書き込んだり消したりが、
タッチ入力や、ペン入力で簡単に書きこめて、
復元も容易であることが、一番なのだろう。
画像や動画を取り込めば、
それなりに便利なグッズだけれど、
パワーポイントでも間に合う気がする。

関係者はご承知のことだと思うが、
教員が、個人的な準備に多大な時間を
取られることからの解放というか、
この電子黒板、
既製のソフトを使うことに重点が置かれているのではないか。
指導要領の徹底、教員個人の力量に左右されない授業。
目指すと目指さないにかかわらず、
そういうところに行きつきそうな気もする。

そして、産業界が真に求めるのは、
電子教科書である。
教員要らずの、スーパー教育システムには
さすがにならないと思うが、
教育費の削減には、1台いくらをはるかに超えて
多大なる貢献をするでありましょう。
と、それでいいのかの、
議論を始めなければいけません。