先日も引用したが、
東海大学副学長 山下泰裕さんの
熊日連載のエッセイ「柔の道 ひと筋に」、
11月9日分「結婚、そして英国留学へ」の回に
スポーツ指導者について書かれていた。
英国留学中、元早稲田大学ラグビー部監督の
日比野弘さんと出会い、
指導者としての道を進むに当たっての
貴重な助言をもらったとのこと。
「指導者として何が一番大事だと思いますか」と問うと、
日比野さんは「私は学生に責任を転嫁しないようしている」
と答えられた。
選手がミスを犯した時、多くの指導者が「何だお前、
さっき言ったじゃないか、ちゃんと教えたじゃないか」
と言ってしまう。だが、それでは自分の責任は見えてこない。
指導者としてどうすべきだったのか自らに問い、
そこにこだわり続けることが指導者の成長につながる。
スポーツの指導者に限らず、教育者全般、
保護者にも言えることだと思う。
行き過ぎた指導から、高校生を自殺に追い込んだと言われる
バスケットボール部の監督。
報道からだけでは見えないものがあるということは
重々承知の上ではあるが、
山下泰裕さんが率直に先輩指導者に訊ねたこと、
その問いに誠実に答えた日比野弘さん。
このやりとりに指導することの本質もまたあるようだ。