TBS系(熊本では熊本放送)で、
「三つの月」というスペシャルドラマを放送していた。
午後の1時間半、このドラマに没頭してしまい、
実に胸がキュンとなった。
最近はあまり読まないが、恋愛小説が好きである。
恋愛ドラマや映画も好きだ。あまり見ないけど。
他人の恋などどうでもいいことなのだけれど、
もし自分があの立場だったら、とか思って見てしまう。
よく考えたら、恋愛ものに限らず物語に自己投影しがちなのは、
これは素質と言っていいかもしれない。
だから、なるべく実生活から遠ざけておくべきなのだ。
その「三つの月」、
NHKの連続ドラマ「紙の月」でも主演していた原田知世である。
ブレンディのCMでは思い切り生活感ないのに、
ドラマでは、こんな風に自分を押し殺して暮らしている
女性がいるんだろうなと思わせる演技があざといぐらい。
そんな女性が、その状況に流されたと思われる恋をする。
八千草薫さんが、見事にある別の形の愛を演じるので、
その対比がドラマに深みと同時にファンタジー感を与えている。
中年男の私は、ドラマでよかったよと少し安心する。
最初は夫婦で見ていたが、
妻は恋愛ドラマ体質ではないようで、
今晩の献立を、料理の本と冷蔵庫の在庫とを
比較検討し考え始めた。
おまけに意見を求める。
最後の方で、原田知世演じる主人公が、
廊下で「痛っ!」と声を上げるシーンがあるのだが、
音声さん、そこだけで芸術祭奨励賞を取れるかもしれません。
芸術祭参加番組でした。
だから、切なくもきれいに終わったのだ。